第9回 国際救助犬連盟
世界選手権報告書


日時:2003年7月3日(木)〜6日(日)
場所:デンマークFREDERIKSSUND市




NPO法人犬の総合教育社会化推進機構


日本代表チームメンバー
大島 かおり
(神奈川県)
ジャックリーンオブシンマルソー(ラブラドール・レトリバー牝)
村瀬 英博
(神奈川県)
フィイルドインゼンジJP(フラットコーテット・レトリバー牡)
澤田 和裕
(大阪府)
アギルマールシェッツヒェン(ベルジアン・マリノア牝)
大谷 久子
(神奈川県)
トレオブラガー(アメリカン・コッカースパニエル牝)
サポートメンバー
野地義行
(神奈川県)
協 力
デンマーク大使館
スカンジナビア航空
国際救助犬連盟
開会式
(左から澤田&アギルマール、大島&ジャクリーン、大谷&トレ、村瀬&フィルド)
内 容
6月27日(金曜日)成田より出発
地震大国の日本チームとして、今年は瓦礫捜索部門に4頭出場した。
TRYしたのは初出場のA・コッカースパニエルのトレ号以外は、皆2年目である。
日本チームも昨年の経験内容共に若いチームから、2年目の充実したチームに変化した。

今回の瓦礫捜索会場は、レンガ造りの工場を壊した跡である。
会場中央に通路跡があり、入口より奥の方に倒壊した建物の2階部分が残っている。
この2階への階段はなし、立て掛けられた板を自発的に犬が見つけ登らなくてはいけない。
犬の大胆性と身体能力、知性が問われる魅力的な捜索箇所である。
規定は持ち時間40分、5人の仮想被災者を捜索、発見しなければならない。
会場内は、捜索開始時より会場中央に置かれた大きなスピーカーより、現場の騒音、
クレーンの音、削岩機やパトカー、ヘリの音などが大ボリュームで流れている。

デンマーク、スイス、スロベニアなどの、毎年上位に食い込むチームの
すばらしい作業が繰り広げられている。

また5月に発生したアルジェリア地震にIROナショナルチームとして派遣され、
遺体の発見に貢献したオーストリアのマグダレーナ指導手とジャーマン・シェパードの
Tsssiloのペアが第1日目に195点という高得点を挙げている。
国際規定の試験を求めることによって、実務でも結果を出しているということを証明している。

また、昨年の覇者であるスイスのハンドラーは、今年6才のマリノワでチャレンジしてきた。
ニューフェイスでのチャレンジだが15分という見事な内容で捜索を行い
198点という今大会最高捜索ポイントを挙げていた。
この試験は犬だけの審査ではない。指導手と犬とのチームとしての総合評価である。
指導手、救助犬供に内容を見極められる。

日本チームは、2年目出場のラブラドール牝、ジャクリーンオブシンマルソウ(呼名:たま)が
40分間の捜索時間をフルに使い、5人の被災者を発見、服従、熟練作業もクリアーし、
瓦礫捜索部門11席に入賞、日本初の国際救助犬連盟(IRO)ナショナルチーム
仲間入りを果たした。

2年目出場のフラットコーテット牡のフィルド・インゼンジは(呼名:ケビン)は、
4人発見、残念ながら、あと一歩及ばなかった。

初出場のアメリカン・コッカースパニエル、トレ オブ ラガー(呼名:ソフィア)は、
会場の人気者である。
身体の大きさでの、リスクを感じることなく服従、熟練をクリアーし、
捜索においても大型犬より数倍の広さを感じるであろう会場をよく駆け回り3人を発見した。

日本チーム最年長8歳のアギルマール ヒュッツヘン(呼名:リスト)は
大会前に腰の不調を出していたが、コンディションの悪い中、3人を発見できた。
以下、大谷久子ハンドラーの報告文である。
9th World Championship for Search & Rescue Dogs
2003年大会がデンマーク コペンハーゲンの北西の町FREDERIKSSUNDにて
7月3日〜6日おこなわれた。
開会式 パレード ウェルカムパーティー等和やかな雰囲気でスタートした。

15カ国24チーム97頭が参加しフットボールスタジアムで服従 熟練作業の試験、
瓦礫捜索 広域捜索 追求作業とそれぞれの会場に移動して試験がおこなわれた。

瓦礫捜索に44頭のエントリーがあり20頭合格した。
日本チーは4頭出場し11位にランクインする犬を出すことが出来ました。
他3頭も昨年を上回る成果がでたことは喜ばしいことです。
日本の犬達はまだ若くこれから練度を磨き活躍して行くことと思います。

世界の犬達は12歳でも行き届いた管理と愛情で、一線で活躍しています。
OPDESの教育理念が日本に浸透することにより熟練した
精度の高い救助犬が誕生してくることでしょう。

救助犬育成への熱意でこれまで数年間地道な努力を重ねてきたが、
今大会において実を結び、先進国ヨーロッパに肩をならべる日がくると確認した。
また、日本チームとして、しなければいけない課題も沢山見えた大会であった。

今大会にあたり デンマークチームのご好意で大会前に練習場を
2日間にわたり解放していただきスタッフの方々に多大な協力をいただき
練習できたことを感謝いたします。
デンマークでの大会前の練習
事前に、澤田和裕氏がフィンランドのIRO理事シルパ・ペリカ女史
(2002年OPDES救助犬試験審査員のため来日)にコンタクトを取り、デンマークでの
練習会場を手配した。

コペンハーゲンより車で1時間ほど離れたところにあるロスキル市の所有する警察官、
消防士のための練習場である。さまざまな現場を想定した施設の中に、
救助犬の練習設備がある。
ここの救助犬は、警察や消防の所有犬ではなく、ボランティアベースの
協会があり出動時にはそこから派遣される。

昨年の経験から、犬によっては東洋人、西洋人の違いによる
臭気の反応に差があるということ判っていたので、地元の人を使った練習を強く望んだところ、
快く救助犬協会のボランティアの方が2日間協力して下さった。
この練習が結果に繋がった部分もあると考える。




(韓国SAMSUNGチームとの合同練習)

(土管の上、約2cmの
穴からでる臭気を取る練習)

スウェーデンThe Swedish Rescue Services Agency’s Revinge College 見学
大会終了後、IRO副会長の計らいでデンマークから車で約1時間のところにある
スウェーデンのThe Swedish Rescue Services Agency’s Revinge Collegeを見学する事ができた。
夏休み中ということで、生徒たちはいなかったが、施設の教員が非常に親切に案内をして下さった。
(案内のマニュアルがきちんと出来ているようである。)

まず会議室に案内され、PCを使ってこの機構の仕組みを説明を受けた。
各国から生徒を受け入れて指導員教育を施し、それぞれの国に帰す
インターナショナルなシステムも持っていた。
このあたりは国からの予算では足りない部分を補うため資金源となっているようだ。

また、救助犬に関してはやはりボランティアが主となり、一定の訓練期間を経て試験を受け、
合格した犬がスウェーデン国際救助隊と一緒に派遣される。
そして、この訓練期間では施設内の練習場を使用することが出来る。
スウェーデンにおいては6ヶ月間の検疫制度があるが、救助に派遣された場合でも
帰国したら検疫を受けなければならないそうだ。
スウェーデンのボランティア救助犬ハンドラーの苦労が伺える。


(日本国旗を掲げて歓迎の意を表す。)

(広大な施設敷地内)

(災害救助犬の練習設備)
ペットチャージについて
6月27日(金)出発 スカンジナビア航空を利用

今回もデンマーク大使館へ公文書にて事前にお願いしたペットチャージだが、
残念ながらフロントの理解を得られず、事前のディスカウントは出来なかった。
幸いにSASフロアマネージャー氏の理解により、出発時点で(本当にギリギリで!)
トータル15kgのディスカウントを受けて飛び立つことが出来た。

競技会とはいえこの海外派遣は、海外の技術習得、また実際の災害派遣の情報交換等、
毎年に非常に大きな意義を生み出してきている。
そしてOPDESの救助犬育成の大きな原動力ともなっている。

しかし、何といってもヨーロッパ方面の派遣の負担はペットチャージである。
1kg約6,000円と言うこの値段は、通常ラブラドールやシェパードクラスの場合、
ゲージの重さとトータルで約40kg〜50kg程になり
片道240,000〜300,000円程になってしまう。

当機構では、この海外遠征派遣費用は基本的に会員負担としているので、
この費用負担が重く出場をあきらめるペアもいる。

スポンサーの発掘、又、航空会社の救助犬派遣に関する理解を
今後共、更に求めてゆきたい。

11席入賞のジャクリーン号と大島ハンドラー
(熟練作業、梯子渡り)
大会風景

災害救助犬専用車両(ドイツ)




災害救助犬専用車両(ハンガリー)




大会会場を訪れた未来の救助犬(?)


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